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遺言書は誰が作っても有効なのか?

2014年12月25日
佐々木 英 司法書士
本日からしばらく遺言について書いてみたい思います。
 
○遺言は誰が作っても有効なのか?
 
遺言をすることができる人について考えてみます。
たとえば、未成年者が作った遺言は法的に効力があるのでしょうか?
あるいは、成年被後見人が作った遺言はどうなるのでしょうか?
 
○まず、民法の条文を見てみましょう。
 
第九百六十一条  満十五歳に達した者は、遺言をすることができる。
 
第九百六十二条  第四条(成年)、第九条(成年被後見人の法律行為)、第十二条(被保佐人及び保佐人)及び第十六条(被補助人及び補助人)の規定は、遺言には、これを適用しない。
 
第九百六十三条  遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない。
 
第九百七十三条  成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した時において遺言をするには、医師二人以上の立会いがなければならない。
2  遺言に立ち会つた医師は、遺言者が遺言をする時において精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態になかつた旨を遺言書に付記して、これに署名し、印を押さなければならない。ただし、秘密証書によつて遺言をする場合には、その封紙に右の記載をし、署名し、印を押さなければならない。
 
○未成年者が作った遺言が法的に有効なのか?という疑問について。
 
民法961条によれば満15歳に達していれば、その者が作った遺言は有効になり得ます。
一般的に未成年者が行った法律行為は、法定代理人の同意が無ければ取り消すことができるのですが、
遺言に関してはたとえ法定代理人であっても子の遺言を取り消すことができないということです。
 
○成年被後見人が作った遺言はどうか?
 
まず、成年被後見人とは
精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある人で
裁判所の審判により後見人をつけてもらっている方のことを言います。
 
たとえば痴呆状態で自分で財産管理ができない、
買い物ができないなどの常況が続いている方をイメージしてください。
 
民法973条によれば、成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した場合において、
医師2人以上の立会があれば遺言ができる、ということになっています。
 
つまり、痴呆状態の方であっても、
事理が弁識できる場合があり
そのときに作った遺言は有効になる、
ということですね。
 
○遺言相続の実務の観点から観ると…
 
未成年者が遺言をするケースというのは実務上では
あまり遭遇するケースはないかもしれませんね。
莫大な財産をもった未成年者が余命がわずかである、とかいうケースでしょうか。
 
一方、成年後見の審判をうけた被成年後見人が
急いで遺言をしなければならないというケースはあるかもしれませんね。
相談者が遺言によって相続争いを予防することができるということを知らずに
成年後見申立をしていることもあり得るからです。
 
成年後見の審判がおりているから遺言は無理と
あきらめてしまうのではなく、
事理弁識能力が一時回復したときに、
医師2人の立会で遺言が可能なのだということは
忘れずにおきましょう。
 

司法書士

佐々木 英Ei Sasaki

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